RS-R1000の無公害とは

従来の錆取り剤は、リン酸・研磨剤・シュウ酸などの有害な物質が含まれています。左下の資料は(財)日本中毒情報センターが一般向けに中毒情報のデーターベースとして錆取り剤の中毒情報を公開している内容です。

●RS-R1000はリン酸・研磨剤・シュウ酸はもちろん、塩素、アンモニア、有機溶剤を一切含みません。
また、化学物質排出把握管理促進法に基づきPRTR制度で定められる物質を一切含んでおりません。(PRTR法については独立行政法人 化学物質管理センターを参照してください)

化学物質排出把握管理促進法に基づくMSDSについては発注時に指示頂ければ商品発送の際に同梱させて頂きます。

(財)日本中毒情報センターによる一般の錆取り剤中毒情報

●さび取り剤
[概要]
 さび取り剤は大きく2 種類にわけることができる。一つはさびをとかして除去する方法で、他は機械的に除去する方法である。
 前者は、リン酸によってさびをとかすもので、リン酸の含有率は
約20〜50%である。一部にシュウ酸(15%)が含まれている商品もある。その他、汚れを落とすための界面活性剤(少量〜40%)やアルコール類(イソプロピルアルコール、ブチルアルコール)、増粘剤、香料などが含まれている。
これらのpH は約0.3〜3 である。
 後者は研磨剤を主成分とするもので、この他に界面活性剤(少量〜30%)や灯油(20〜50%)を含有するものもある。pH は約8〜10 である。
 両者とも性状は液体からクリーム状のものまである。
[毒性]
 リン酸:ヒト経口最小致死量 8mL(5)、
     ラット経口LD50 1,530mg/kg(2)(3)

 シュウ酸:成人経口推定致死量 15〜30g(ただし5g での死亡例あり)(5)
      ヒト経口最小致死量 600mg/kg(6)
 灯油:気道内に誤嚥しなければヒト推定致死量90〜120mL、誤嚥すれば
    数mL 以下
[症状]
1)主成分がリン酸のみの場合:皮膚、粘膜に対する刺激炎症。嘔気、
嘔吐、腹痛、出血性下痢、代謝性アシドーシス、高リン酸血症、低カ
ルシウム血症の可能性
眼に入った場合、他の強酸に比して症状はかるく、治癒経過も速やか
2)リン酸とシュウ酸の場合:シュウ酸による腐食作用を考慮。経口摂取
時、症状は速やかに発現する。口腔・咽頭の化学熱傷、呼吸困難、出
血性胃炎、二次的なショック。低カルシウム血症による筋攣縮、筋線
維性攣縮、テタニー。著明な腎障害、腎尿細管腔におけるシュウ酸カ
ルシウムの蓄積
3)研磨剤が主成分の場合:研磨剤の毒性は低いので灯油の毒性を考慮
 灯油:経口;口腔・咽頭・胃の灼熱感、嘔吐、下痢、傾眠、昏睡
 気道内誤嚥;過呼吸、チアノーゼ、頻脈、発熱、肺水腫、肺出血
 その他;接触性皮膚炎、眼に入った時は結膜炎
[処置]
酸が主成分の場合
 家庭で可能な処置
  経口:口腔内洗浄(多量の水または牛乳)、希釈(冷たい水または牛乳を
     飲ませる)
  経皮・眼:直ちに流水で最低20〜30 分以上洗浄
 医療機関での処置
  基本的処置:要すれば気道確保、ショックに備え点滴静注路の確保と体液
        の補充。大量服用時は、冷たい牛乳で胃洗浄(早期に、穿孔
        に十分に注意して)、粘膜保護剤の投与
  対症療法
  特異的処置:シュウ酸に対して
  1)カルシウム塩投与:低カルシウム性テタニー予防のため
  2)血液浄化法:血液透析・・・シュウ酸除去と腎不全対策
         血液灌流・・・シュウ酸の血中濃度が高い時のシュウ酸除去
  3)輸液:腎機能が正常な場合、腎尿細管のシュウ酸カルシウム結晶の
      沈着を防ぎ、排泄を促す
  4)重篤な場合:副甲状腺ホルモンの筋注
研磨剤が主成分の場合
 家庭で可能な処置
  吐かせないこと(気道内に誤嚥する危険性大なるため)
 医療機関での処置
  大量摂取時に胃洗浄を行うときは、誤嚥をふせぐ処置
  流動パラフィン30〜100mL 投与
  吸入時および誤嚥時は呼吸管理
  化学性肺炎対策、対症療法(灯油の項(p.242)参照)
[確認事項]
 1)商品名の確認:成分・組成の確認
 2)摂取量と症状の有無
[情報提供時の要点]
 酸を含有している場合
  1)催吐や中和の禁忌
  2)受診を指示
 研磨剤が主な場合
  1)研磨剤の毒性は低い
  2)灯油が含まれている場合、催吐は禁忌。変化があれば受診を指示
[体内動態]
 リン酸:経口、経皮で吸収
 シュウ酸:吸収・・・正常な成人で服用量の2〜5%(5)
      排泄・・・腎排泄は服用後約4 時間でピークで、高濃度のものは
         14 時間

[中毒学的薬理作用]
 リン酸として:局所に対する直接的刺激。60%以上の濃度では強い腐食作用
        (4)(5)
 シュウ酸:腐食作用、低カルシウム血症(血清イオン化カルシウムと結合し、
      不溶性のシュウ酸カルシウムを形成する)、腎障害(不溶性の
      シュウ酸カルシウム結晶が腎尿細管で沈着する)
 灯油:中枢神経抑制作用、粘膜刺激作用、心筋の内因性カテコールアミンに
    対する感受性を高める(5)(6)
[治療上の注意点]
 酸:口腔内の障害の程度と食道・胃の障害の程度とは必ずしも一致しない
   シュウ酸の稀溶液の場合、消化器症状がすぐに発現せず、数時間後に
   全身症状が発現する
   シュウ酸経口摂取時、局所の消化器症状によりすぐ死亡しないなら、吸
   収による全身的な中毒症状を生じる。腎障害は、摂取後約2 日後に発
   現する
 灯油:拮抗剤、解毒剤なし(灯油の項(p.242)参照)
[参考文献]
(1)救急中毒ケースブック(1986) (2)産業中毒便覧(増補版)(1981)
(3)急性中毒情報ファイル(1996)  (4)中毒百科(1991)
(5)Poisindex Vol.92(1997)    (6)RTECS(1997)